2019年07月03日
アンダーマイニング効果|動機づけ理論
「アンダーマイニング効果」
●アンダーマイニング効果とは、
内発的動機づけによって行われるた行為に対して、
報酬を与えることなどの外発的動機づけを行なうことによって、
動機づけが低減する現象。
●内発的動機づけ
内発的要素を構成する要素は、
知的好奇心、有能感、自己決定感 の、3項目。
*知的好奇心とは、知らないことを知りたいと思う欲求
*有能感は、自分の力を発揮して成果が得られる感覚
*自己決定感は、
自分のことを自分で決めたいという欲求で自発的に行動している感覚
これらの感覚が強められると、動機づけは高まる。
●外発的動機づけ
外的動機づけとは、ある行動をすることによって、
「得られる報酬が目的」となっている動機づけのこと。
【例】 給与などのように、はじめはその給与で仕事への動機づけが維持されていても、
長年働いているにもかかわらず昇給がセロであれば、
その仕事を続ける意欲を維持が難しくなる。
外的報酬(ここでは給与)の水準が変わらなければ、
動機づけを維持する効果は時間とともに弱まる。
●□ 「アブラハム・マズロー」 □●
マズローは、アメリカの心理学者(1908~1970)
人間の自己実現を研究対象とする「人間性心理学」の最も重要な生みの親。
欲求の5段階説(欲求のピラミッド)を主張したことで知られる。
人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、
低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされる。
*第一階層の「生理的欲求」は、
生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、飲みたい、寝たいなど)。
この欲求がある程度満たされて初めて、次の階層「安全欲求」を求めるようになる。
*第二階層の「安全欲求」は、
危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)という欲求のこと。
最低限の暮らしを確保したいという欲求だと考えるとわかりやすいかもしれませんね。
「安全欲求」が満たされると、次の階層である、
*第三階層の「社会的欲求(帰属欲求)」(集団に属したり、仲間が欲しくなったり)を求める。
この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなる。
※ここまでの欲求は、外的に満たされたいという思いから出てくる欲求(低次の欲求)で、
これ以降は内的な心を満たしたいという欲求(高次の欲求)に変わる。
「社会的欲求」の次に芽生える欲求は、
*第四階層である「尊厳欲求(承認欲求)」(他者から認められたい、尊敬されたい)。
「尊厳欲求」が満たされると、
*第五階層の「自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)が生まれる。
他者に何かを求めるというより、自分の活動や成長に強い関心を持つようになります。
※マズローは晩年、5段階の欲求階層の上に、さらにもう一つの段階があると発表。
それは「自己超越」という段階。このレベルに達している人は人口の2%ほど・・・。
「目的の遂行・達成を純粋に求める」という領域で、
見返りも求めず、エゴもなく、自我を忘れてただ目的のみに没頭し、
何かの課題や使命、職業や大切な仕事に貢献、奉仕している状態。
※マザーテレサなど。
●□● 「フレデリック・ハーズバーグ」 ●□●
☆ハーズバーグの「動機づけ・衛生理論」
アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した、
仕事における満足と不満足を引き起こす要因に関する理論。
人間が仕事に満足感を感じる要因と不満足を感じる要因は全く別物であるとする考え方。
人間には2種類の欲求があり、
苦痛を避けようとする動物的な欲求と、
心理的に成長しようとする人間的欲求という別々の欲求があるという考えを基にしている。
苦痛を避けようとする動物的な欲求をいかに充足しても、
人間は不満足感が減少するだけで積極的な満足感を増加させることはない。
たとえ心理的に成長しようとする人間的欲求を十分に充たすことができなくても、
不満足感が増加するわけではないと考えられている。
仕事の満足感を引き起こす要因と不満を引き起こす要因は違い。
不満要因(衛生要因)をいくら取り除いても、満足感を引き出すことにはつながらず、
不満足感を減少させる効果しかなく、仕事の満足感を引き出すには、
「動機づけ要因」にアプローチするのが効果的。