2016年05月07日
心のケア14 「グリーフ・ワーク」
心のケア14 「グリーフ・ワーク」
*悲嘆(グリーフ)・ワークは喪失の悲嘆を癒すためのワークである。
◇災害時 「心のケア」 にお役立て下さい。
【被災地の復興が進んでも、癒えない心の傷】
・「東日本大震災」発生3カ月以降(4月上旬~7月上旬)の、
被災地支援相談で多かったのは、
『泣かないで日常を過ごす方法』 が知りたい。。 教えて欲しい。。。
私自身が、「改めて驚く日々」を実感したことを、
今でも鮮明に記憶している。
「泣いたほうが早く楽になれるのですよ」 と返答した「あの日」。
その時、ほとんどの相談者が ”戸惑いと驚きの表情” をみせた。
とても印象深いその光景を、静かに見守る。
・・・次の瞬間
相談者が一番知りたかった 『方法』 は不要なものとなる。
張りつめていた緊張の糸が切れる瞬間☆
ほほつたう涙。
こころの中に降る雨のしずくは、
悲嘆を静かに、ゆっくりと洗い流して行く。
新しい人生のスタート^^☆
悲嘆を認めることは、
衝撃的な体験から 『何か』 を学び取り、
人生の大きな意味を見出すこと。
【グリーフ・ワークを始めるために必要なこと】
・安全確保(心理的、環境的、物理的)
・衣食住が確保されていること。
※諸々の事務手続きが未完了の場合でも、できるところから少しづつ進めます。
※震災後、諸々の事務手続きが完了していれば、なお良いでしょう。
【方法】
1、深い悲しみ(感情)を受け入れる
強い感情は時間と共に軽減します。
がまんせずに、「嘆く、泣く時間を確保」しましょう。
2、悲嘆や喪失体験を話す
可能であれば信頼出来る人と悲嘆をシェア。
傾聴してくれる人をみつけることも大切。
3、悲嘆を分かち合う
同じ経験をした人と分かち合い、乗り越えるきっかけに。
4、軽いストレッチ(運動)と良質の睡眠(休養)
ストレッチは心も柔軟にします。
眠らなくてもこまめな休息を意識する。
5、セルフケア:自分を愛する
自分をいたわり、ねぎらう。自分を大切にする。
五感を磨き、五感を感じてみましょう。
6、出さない手紙を書く
自分自身の感情に気づくきっかけになります。
7、自分の考えや思いを記録する
記録することで感情を放出します。
絵画療法(アートセラピー)も有効。
8、助けを求める
自分をケア出来る人は助けを求めることができます。
(*傾聴してくれる人に助けを求める)
9、休養(休息)、栄養、睡眠
からだをいたわることで緊張を軽減できます。
●心のケア1 「トラウマティックストレス」
http://ssc.da-te.jp/e962589.html
●心のケア2 「ストレス反応と心の病気」
http://ssc.da-te.jp/e962677.html
●心のケア3 トラウマティックストレスに起因した「心身の反応」
http://ssc.da-te.jp/e962711.html
●心のケア4 「回復のための心構え」(被災された方々へ)
http://ssc.da-te.jp/e962755.html
●心のケア5 「こんな場合は専門家に相談しましょう」(被災された方々へ)
http://ssc.da-te.jp/e962862.html
●心のケア6 「子どもの場合の注意点」(被災された方々へ)
http://ssc.da-te.jp/e962885.html
●心のケア7 「被災した人をケアするために」 (周囲の皆様へ)
http://ssc.da-te.jp/e962979.html
●心のケア8 「喪失を受容するために」
http://ssc.da-te.jp/e962980.html
http://www.sendai-shinri.com/blog/2010/02/post-77.html
●心のケア9 「サバイバーズ・ギルト」
http://ssc.da-te.jp/e963046.html
●心のケア10 「気遣いの言葉」
http://ssc.da-te.jp/e963047.html
●心のケア11 「寄り添うために」3つの約束☆
http://ssc.da-te.jp/e963048.html
●心のケア12 「聴くことで癒される」
http://ssc.da-te.jp/e963121.html
●心のケア13 「悲嘆のプロセス」
http://ssc.da-te.jp/e963122.html
●心のケア14 「グリーフ・ワーク」
http://ssc.da-te.jp/e963123.html
●心のケア15 「グリーフ・カウンセリング」
http://ssc.da-te.jp/e964625.html
☆ 大切な人へ ☆
*東日本大震災(2011年3月11日)の死者:15,894人
※2016年2月10日現在、警察庁がまとめたところによると、一連の余震での死者も含め、
死者15,894人(宮城県9,541人、岩手県4,673人、福島県1,613人、
茨城県24人、千葉県21人、東京都7人、栃木県4人、神奈川県4人、
青森県3人、山形県2人、群馬県1人、北海道1人)、行方不明者2,562人。
また、2016年3月1日現在で消防庁がまとめたところによると、
震災関連死を含めた死者は19,418人にのぼる。
※福島第一原子力発電所事故の影響で、
福島第一原子力発電所から半径20キロ圏内が避難指示区域に設定された影響もあり、
福島県では沿岸部の状況把握が遅れたことにより、
行方不明者の捜索は大幅に遅れ、4月7日に開始された。
*東日本大震災(2011年3月11日)の死者:15,894人
*阪神大震災(1995年)の死者:6,434人
*中国四川大地震(2008年)の死者:69,197人
*明治三陸地震(1896年)の死者と行方不明:およそ22,000人
*関東大震災(1923年)の死者:105,385人
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